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のぬふ!のぬふ!のぬふ!ということで、これが例の「のぬふ」であったか…という姦の忍法帖が収録されていたんですけども、この短編集がとんでもないというか、ひどすぎる。よくもまぁこうも狂ったことを真面目な振りして書くもんだと感心するやらあきれるやら。
この短編集は講談社ノベルス版なので、今現在刊行されているものを参照すると重複して収録されているものがあるようで、すべての短編集を読むにはどういう順序で集めていくべきか考えていかねばならないなぁと思った。見かけた本全部買っていけば済むことなのだろうけども。この中では忍法小塚ッ原を他ですでに読んでいたのですが、読み返してみたところやっぱり無茶苦茶で何回読んでもわけが解らなくて素晴らしい。
とりあえず「のぬふ」も狂ってるけど剣鬼喇嘛仏も相当きついですね。だいたい冒頭が吉川英治の宮本武蔵の終わりから始まってるのが自由すぎる。勝手に続き書いていいんすか。いいんです。山田風太郎先生の前にはそんなことは小さな問題なのですきっと。しかしまぁよく考えるよなぁ…というような性忍術の数々なんですけども、本当に玉石混合というか、特に短編においては当たり外れの差が激しいなと感じた。思いついた忍法が書きたいがためだけにある短編も結構あるんすよね。それはそれで面白いんだけど。
この中では姦の忍法帖と剣鬼喇嘛仏が群を抜いて面白いんですけど、他もだいぶ狂っているので面白いっちゃあ面白いです全部。うー、何言ってんだこの人…的な、そんな思いにとらわれてしまうこともないでもないですけども、やっぱりなんというかある種の天才であるよなぁというか、忍法帖シリーズ書いてた時期っていっつもこんな事ばっかり考えてたのかな山風先生…と思ったらちょっと嬉しくもあり恐ろしくもあり。
あと忍法破倭兵状での秀吉嫌いを全面に押し出した文章は面白すぎる。どんだけ秀吉嫌いなんすかー!って思いました。
剣鬼喇嘛仏 (KODANSHA NOVELS SPECIAL)