のぬふ

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2005-07-20

[]「鉄鍋のジャン 1~27巻」 西条真二

連載してた頃はチャンピオン読んでたのでなんとなく読んでたのだけど、文庫で出てたのを立ち読みしてたら妙に面白かったのでコミックス一気読みしてみた。

とりあえず、序盤の五番町飯店を舞台にした話やら、蟇目とか五行との料理対決は本気で気が狂ってんじゃねえのかこの人は…と思わされる描写というかストーリー展開だったのだけど、だんだんと話が別の方向を向いていったのが残念でならない。

蟇目との対決ではちょっとジャンが嫌なことを言っただけでまず指をへし折られ、そして料理勝負が引き分けに終わって軽口を叩くジャンがもう一方の腕をへし折られてしまったりとちょっと尋常じゃない。最終的には薬膳料理を悪用してお互い体が動かないまま悪態をつきあう二人。

五行に至っては薬膳料理バトル全開といった風情でその内容自体も人が死にかけたりするほどにとんでもないのだけど、最終的に自らを雇ったオーナーの飼い犬をも料理してしまう外道っぷりを見せる。笑い声は「ギシャシャシャシャーッ!」だし。

そして序盤のジャンも勝負に負けると壁を殴り、頭をガンガン打ち付けだくだくと血を流しながら悔しがったり、キン肉マンの悪魔超人のようにカ行で笑ったり、とにかく勝つためならどんなことでもするという精神状態がもうなんかとても主人公には見えない。祖父の階一郎は舌が衰えたことを理由に焼身自殺してしまったりと壮絶エピソードは結構持っているのだけど、それにしたって性格が極悪すぎる。

もう一人の主人公である五番町霧子に関しては、もうこれは乳以外に見るところがない。話が進むにつれてどんどん巨乳化していくキリコ。不自然な着替えのシーンはサービスカットのつもりかもしれないが、そのホルスタインのような乳は一体何なのだろうと疑問を抱かざるをえない。なにより出てくる女性が揃いも揃って巨乳なのだ。ヌーベルシノワとかなんとか言ってるセレーヌ楊や素人のくせに料理勝負を挑んでくる湯水スグルの執事である刈衣花梨やらもう全てが巨乳。陸なんとかも激しく巨乳。挙げ句の果てには女装したジャンや小此木すら巨乳なのである。これには恐れ入った。

そして今名前を出したけれど、刈衣花梨はこの漫画随一の萌えキャラであって、誰がなんと言おうとこの漫画は刈衣花梨が出てくるところまで読んでいればいいのである。金持ちのボンボンの道楽に従者のように付き従う花梨。常にサングラスをかけているがその理由がスグルを救うエピソードに繋がっている。武道もたしなんでてジャンを軽く投げ飛ばす花梨。そしてコンピュータ至上主義で料理を学問と言ってしまう花梨。しかし実際の料理になると経験と体力の不足から目眩を起こす花梨。ウフフと笑う花梨。多分連載中も花梨萌えの声が聞こえたために唐突に前面に出てきたのではないだろうか。そしてジャンに負けたあとも陰からスグルの金持ちの道楽料理につきあう花梨花梨萌えである。

という感じで俺の気持ち悪い側面を露呈してしまったのだけども、その後の豚コスプレ料理やら第二回若手料理人最強トーナメント(正式名称は多分違う)に入ると、とんでもないことはとんでもないのだけど、なんだか意外とまともな料理漫画になってしまうのである。俺はもっともっと汚い手を使うジャンが見たかったのに。そこが残念でならない。普通の料理バトル漫画になるならなるでそれも面白いとは思うのだけど、この人の場合描く食い物が全然旨そうに見えないのです。これは話が進んでくると余計にその傾向が強まっているような気がする。これはちょっと致命的だったような気がする。そして使い捨てられるキャラ達。最終的に睦十との決着もつけずに終わってしまうラストはいかがなものかというか、睦十は序盤頑固で無茶を要求する料理人だったのにすっかり腑抜けてしまった。顔もだんだん普通になっていくし。デコポンも結局春巻勝負の時しか出てこないし。大体、睦十と階一郎の因縁というのもきちんと説明されないまま、どうしてこんな事になってしまったのかがよく解らない。

単行本オリジナルのエンディングになると作者はいきなり気が触れたようなことをやってしまうのだけど、なんかもう後半の鬱憤をああいうものを書くことによって表現しているのかもしれぬなどということを思った。あとカバーの袖や話の合間のページでの作者の言葉が非常に暑苦しくてそれは良かった。とにかくなんかもう巨乳料理漫画であった。巨乳の作る中華料理巨乳中華。嗚呼。

鉄鍋のジャン! 27 (少年チャンピオン・コミックス)

鉄鍋のジャン! 27 (少年チャンピオン・コミックス)

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